とりつくしま


東 直子
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あなたは何に「とりつき」ますか?
死んでしまったあなたに、とりつくしま係が問いかけます。
そして妻は夫のマグカップに、弟子は先生の扇子に、なりました。
切なくてほろ苦くて、じんわりする連作短編集


すごくよかったー腟究心地よい本です。
読んだことがない方はぜひ!!!sonatine大プッシュのオススメ本
東さんは歌人ということで、間の取り方や句読点の打ち方。完璧です鐔件
んでもって字の大きさもページ数もわたし好みです。
パッと見表紙は蝶々ですが、よくみるとこれはとりつくしま係の人たちのようです。
顔が書いてあるにたった今気づきました。
マヌケというか地味というか目立たないというか・・・かわいいっちゃかわいいけどちょっとかわいそうなくらいインパクトがないです。

ま、いいですけど。。。
とりつくしま係はこの世に未練がある人たちに、物になってこの世に戻る機会を与えてくれます。
ただし、物ではなくてはならず亡くなった人に何ら影響を与えることも語りかけることもできません。
そこが読んでいて逆にさっぱりします。
死ぬっていうことは、そういうことなんだなぁって。
とりつくしまを与えられた人たちは、自分が見守りたかったり気持ちの整理をつけるためにだけ存在するんです。
また、終わり方も絶妙。優しい余韻を残した言葉で終わっています。
子供からお年寄り、男も女もでてきて、いろんな見方ができるのもおもしろかったです。
あたしだったら、なんにとりつくかなー。
見てるだけなら切ないので、とりつきたくないなぁ。

自分の感性でぜひぜひ、この本を感じてくださいね。

月のうた

月のうた
月のうた穂高 明

おすすめ平均
stars文字で見る3Dドラマ
stars月に彩られた4人とその物語
stars少女の成長物語

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優しい本でした。
母親を亡くし、大好きなおばあちゃんを亡くし、父親と継母と暮らす民子。
年の離れた結婚をして、馴染めない家庭に入った継母の宏子。
民子の母親、そして民子に恋する息子を持つ祥子。
そして、父親の4人の視点で描かれた本。

世の中にはその人しか知らない事柄が、たくさんあるんだなぁと思った。
その人の行動、言動、考え方は誰かが知らないうちに違う誰かとの関係によって生み出される変化で形作られている。
たとえば、誰かを責めたくなった時に、意見を聞きなさいって言うでしょ。
聞いたことで、誤解が解けるかもしれないから・・・。
違う価値観の人、自分とは違う他人を理解する、受け入れるって精神のレベルを上げることが必要。それって優しさってことなんじゃないかなぁ。
その優しさは人から与えられて、自分も与えることができるのであって。
そうやって人と人がどんどん繋がっていく。
それは脆い絆かもしれないけど、すごくあったかくて嬉しくてかけがえのないもの。
そういう大切さをじんわりと感じる、優しい話でした。
陽一と民子の友情?愛情?の関係がすごく羨ましくて、こういう幼馴染がいたらなぁと思いました。
パンチは足りないですが、優しくなりたい気分の人にお勧めです。

夜明けの街で


東野 圭吾 / 角川書店(2007/07)
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<評価>
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<ストーリー>

渡部の働く会社に、派遣社員の仲西秋葉がやって来たのは、去年のお盆休み明けだった。その後、僕らの距離は急速に縮まり、ついに越えてはならない境界線を越えてしまう。



<感想>
ベテラン東野さんの本です。
図書館で43人待ちで、ちょっと待ちくたびれたころに回ってきました。
東野圭吾の新境地にして最高傑作
って帯に書いてあり、かなり期待して読む。

が、

これは間違いなく、最高傑作じゃない。
ミステリーとラブストーリー。どちらをとっても中途半端。
一層のこと不倫だけの話にしてしまえばよかったのに。
やっぱり東野さんはミステリーだな、ということを実感したお話でした。
ちゃんちゃん。

正義のミカタ

正義のミカタ―I’m a loser 正義のミカタ―I’m a loser
本多 孝好 (2007/05)
双葉社

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いじめられっ子の亮太は自分を変えようと「正義の味方研究部」に入部する。果たして亮太は変われるのか。いじめ、リストラ、格差。こんな社会で生きていかなきゃならない、将来が少し不安なあなたに贈る、書き下ろし青春小説。



<評価>
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<感想>
本多さんは大学のころ、はまりにはまって読んでました。
主人公たちがかっこいいんですよね〜。弱くも強くもなく自然体で。
私もこういう風になりたいな、と思いながら読んでました。
今回はびっくり!
えらく若い人、しかも何か幼くないか?
正義研究会、略してセーケン。
うさんくせぇ。
そんなん信仰するのって、何かいやだなぁ。
てか大学生なら引きますからねぇ、そういうの。
これが高校なら、有りと思うのですが。。。
レボリューションみたいな感じで♪

とはいえ、やっぱり読ませる力はありました。
面白く読めました。
でもなーなんか急に雰囲気が変わった感じがして、
私は前の作品のほうが好きだな、と思いました。

ツレがうつになりまして

ツレがうつになりまして。 ツレがうつになりまして。
細川 貂々 (2006/03)
幻冬舎

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コミックエッセイです。
軽いタッチで、でもうつの状態をわかりやすく書いてあります。
ツレや身近な人がうつになったとき、専門書は難しいことを書いてあるけど、こっちのほうが欝に対して、「ま、いっか」と気楽に構えれていいかもー。

この本を読もうと思ったのは、彼氏に「うつみたい」と言われてから。
学校で学んではいたけど、もう少しきちんと勉強しとこうと思ったわけです。

この本は、ツレがうつになった細川さんの視点で書かれてる。
何で?という突っ込みもガンガンはいっていて、
「気持ちわかるよ」とか「そういうときもあるよ」って欝の人に共感を示すのって無理だよなぁ。むしろわからんところはわからん!でいいんじゃないか、と思えてきました。
うつから回復した当事者のツレさんだって、あのときの自分の最悪の状態を思い起こすことが難しいと言ってるんだから。
うつ経験者の知り合いに、「どうしてほしかった?」と聞いたら
「そっとしといてほしい」「何も言わずそばにいてほしい」という回答が。
何も言わずただそばにいる。変に気を使わず(ポイントはつかむべきだけど)怒るときは怒っていいし、正直でいいんだなぁと思いました。

大切な人がうつになったときに、おすすめな本です。

ひとり暮らしののぞみさん

ひとり暮らしののぞみさん ひとり暮らしののぞみさん
蜂飼 耳、大野 八生 他 (2003/10)
径書房

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<評価>
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<ストーリー>
ひとり暮らしののぞみさんの部屋にある日突然鳥かごが現れた。
それはどんどんどんどん大きくなって、部屋いっぱいに広がった。
現れたのは大きな鳥と小さな鳥。
1人と2匹の共同生活が始まった。

<感想>
まっしろな気持ちさんの記事をきっかけに読みました。
私はましろさんの記事以上なものを書けないだろうし、興味がある方はましろさんのページにジャンプしちゃってください。

私はこういうひとりを楽しめる小説がすごく好きです。
何もない平凡な日常を楽しめる女性も好きです。
素朴で、誰かのためにちょっぴり親切にして、それが喜びなり、小さな幸せとつながる。
3−1=2じゃなくて1+1=2という考え方は
自分というものがなければ、できないものだと思う。
もともと人はひとりで生きていて、そこに誰かが交わることがある。

私は、依存心が強いから誰かが去ってしまったらマイナスになると考える。
文中とは関係ないけど、誰かが去ると誰かが現れる。
毎年新しい出会いがあって、不思議と新しい出会いの人とものすごく親密になることが多い。
逆に古い付き合いでそこまで深く付き合っていない人はどんどん疎遠になっている。
私の場合なら1−1+1=1となるな〜って思った。

ひとりになってもつながりを感じられる。
一緒にいることがつながってるすべてじゃなくて。
むしろつながっている必要もないのかもしれない。
大切に思う気持ちだけで、いいのかもしれない。

ずっとそばにいるからつながりを感じられること。
離れていてもつながりを感じられること。

精神的なつながりをいうなら後者の方が強くて、美しい。
だけど私は、そばにいるからつながってるということもあるような気がする。
目標とするのは後者。

押し付けがましくなくて、ゆったりと時が流れて、
かわいいイラストと、さっぱりした文章。
この空気感がいいなぁ〜。
かなり好みな雰囲気です


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ひかりをすくう


橋本 紡 / 光文社
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<評価>
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<ストーリー>

突然こころが壊れてしまった。そんな私を、哲ちゃんは静かにそっと抱きしめてくれた。私にとって、ありふれた日常が最良の薬になった…。この世界に降るもうひとつのひかり。ひとの可能性を描く切実な物語。


<感想>
すごくいい話でした。一気に読ませてもらいました。
本当は評価20060517191140.gifにしようか迷ったんですが、気分が落ち込んでしまったので★4にしました。
話自体は、どちらかというと前向きな終わり方なんですがー。
この話って私がふっとした瞬間に悩むことを考えさせられるんですよ。

好きなことで多少苦労しても生きていくか。
好きじゃなくても生活していける道を選ぶか。

っていうことに。

智子は好きなことを仕事にして、働いて働いて体と心が悲鳴を上げてしまったわけですが、本人は仕事は好きだったわけ。
つまり好きなことする=楽しいわけじゃないんだなー。
じゃあ自分は将来どっちを選んだらいいのかな、って考えたら
落ち込んだわけです。
でも、この本を読んでこんなことを考えるのは私ぐらいだろうなぁ。

結局、智子もてっちゃんも定職につかず、お金がある間は今の生活を続けることにしたのですが、私はこの終わり方がもやもやが残るけど、好きです。
今を生きるってこういうことなんだろうなーと思いました。

例えば、お金がないなら困ることは目に見えてる。
先を見据えて行動する。それがずっと続くと安泰というレールに乗っかれる。
今を生きるってことはその時を懸命に生きることで、
将来とかそういうのじゃなくて、今の自分を大切にし、生きること。

仕事をするようになって、安泰に生きることを当たり前に求めてきた。
だけど、「これでいいの?」って思いが時々わーって浮き上がってくる。
子供はいいよなぁって嫉妬してみたりもする。
「人生これからだよ」って子供たちに向かって言う大人になって、
同時にまるで自分の人生の可能性がないようにいっている気もしてた。

無限の可能性をもっているのは子供だけではない。私たちにだってまだまだたくさんの可能性がある。



この言葉に、とても救われた。

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ほんじょの鉛筆日和

ほんじょの鉛筆日和。ほんじょの鉛筆日和。
本上 まなみ

新潮社 2006-06
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<評価>
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<感想>
かわいい奥さん。
かわいい子供。
かわいい人。

表現はゆるめでのんびりしていて、料理裁きのシーンはむしろ男っぽい潔さを感じてしまうのですが、とにかくかわいい
感受性が豊かで、好奇心が旺盛で、料理が好きで食べっぷりもいい。
あまりに素朴すぎて、女優のイメージとは程遠い。

解説で、穂村さんは
「こんなひとと時間をともにしてみたいと思わない者がいるだろうか」
と言ってるんですが、私も激しく同感です!!!!!

実はちょっとタイプは違うけど、食べっぷりのよさと、料理好き、20代なのに、派手なことより風流を楽しむことが好きな友人がいます。
(私はもっぱら食べる専門ですが。。。
彼女たちのと結婚する男性は幸せだろうなー。

前半は素朴すぎて物足りない…と思いましたが、『サバってさ』の話でグェップと心臓を掴まれ、それからはほんじょ節の虜にheart.gif

クレンジングオイルをコネコネ…
へもい=ちょっとダサい、イケてない、たよりない雰囲気をかもしだしている、でも愛らしくて憎めない様子


などなどほんじょさん独特のワードがたくさんつまっていて、そのリズムが読んでいてとても心地よい。
料理の時の精密な描写と、素朴な感性のギャップ。
寄生虫や虫などの図鑑が好きだったりする不思議ちゃん。

ほんじょさんを知れば知るほど、その世界から出たくない。
エッセイファンが多いのもうなずけます。

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妄想銀行 / 星 新一

妄想銀行妄想銀行
星 新一

新潮社 1978-03
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またまた読みました。星さんのショートショート。
文句なしに面白いんですが、ショートショートを続けて読むと
疲れます
たまに読むくらいがちょうどいいと思います。

未来いそっぷ / 星新一

未来いそっぷ未来いそっぷ
星 新一

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<評価>
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<ストーリー>

『アリとキリギリス』『ウサギとカメ』など、誰でもごぞんじの寓話の世界。語りつがれてきた寓話も、星新一の手にかかると、ビックリ驚く大革命。時代が変れば話も変るとはいえ、古典的な物語をこんなふうに改作してしまっていいものかどうか、ちょっぴり気になりますが―。表題作など、愉しい笑いと痛烈な風刺で別世界へご案内するショート・ショート33編。


<感想>
星さんを知らなかった私の読書人生って。。。
シンプルでセンスがよくて、短くて読みやすいのに物足りなさをちっとも残さない。
あーこんな言葉じゃぜんぜん足りないくらい、星ワールドにはまっております。
解説の新井素子さんの言葉は、まさにぴったり!
誰にでも書けそう!と思わせておいて実際はマネしよーったって到底できない。
誰にでも考えられそうな身近なアイデアなのに、誰も思いつかなかった話をひょいと拾い出し、書いてしまう。
手軽に読み始められるのに、読み終えるのがもったいない。

もっと、星さんを読まなきゃ!