裁縫師
あの日、9歳の少女だったわたしは、あのひとに触れられて女になった。
わかりやすくいうとそういう話です。
あのひと、は表題作の裁縫師。
品のあるフェロモンを放っていそうな腕が良くて、詳細は謎のひとです。
その上品さの陰に「官能」があって、言葉責めに犯されそうでした。
といってもあからさまじゃなくて、空気が艶めかしいのです。
花柄の床。丸いラウンドトゥの靴にきゅっとひきしまった未熟な危うい魅力。
タイトルの雰囲気がばっちりはまってました。
他にもちょっと不思議な話が入ってます。
短編なんで読みやすい、女性向けの官能小説?なのかな?
読み終わった後は、美しい言葉、容姿、心。
やっぱりなんだかんだいったって人間美しいものには惹かれるのよ

でも、よくよく冷静に考えてみるとありえない話や、ちょっと犯罪?と思えてきて
在り難い異次元の不思議話だと思いました。
雰囲気が凛としていて、白いシーツのイメージの本です。
カップリング・ノー・チューニング
とりあえず、遠くへ行きたい。行き先は、乗せた女しだい。高校の同級生だった春香、バーで偶然隣合わせに座っていたトモコ…。助手席にやってくる奇妙な女の子たちとのちぐはぐな旅。
完全にタイトルに惚れこんでお持ち帰り。
恋人に自分をごまかすことは必要ないぜ!みたいな話かなぁと思ってたらまたしても予感は大外れ

旅小説でした。
男の子が主人公で、車を買ったばかり。
見せびらかしたくてねちっこい春香を乗せたとこから話が始まります。
男性主人公だけど、男性も女性もよく角田さんは見てるなぁ〜って感じで、
特に女性独特のねちっこさがうまく描かれていて、女ってめんどくせぇと思いました。
お前何がしたいんじゃー!と主人公同様にあきれながらもハッ

自分もどっちかというと春香タイプなので気をつけなければ・・・。
最初、2人の女性と絡ませた恋愛話かと思いきや、3人目が現れたとこで旅小説になってしまいました。
これ、残念。非常に残念。
私、旅小説好きじゃないのよね〜

前半の勢いはどうしたの?ってくらい終わり方もすっきりとせず、結局何がしたかったのか中途半端なまま終了。
角田さんすごくうまいんだけど、作品によって好みが両極端に分かれるわー。
笑顔で光って輝いて
この本は職場の人から貸してもらいました。
読み終えた後にすっごく温かい気持ちになれて、手元に置いておきたい一冊になりました。
正観さんの本は宇宙を味方にする方程式から大好きだったんだけど、この本のほうがもっといいです。
より具体的というか、自分がふだん考えてることに「あ、なるほど」と当てはまることが多くてすごく勉強になりました。
私は本のタイトルって好みがあって、こういった教科書みたいなタイトルの本は苦手。
ついでに前半は病気やありがたさの話はちょっと違うんじゃないの〜?世の中不公平なことだってたくさんあるよ!?と正直腹を立てながら読んでいた部分もあります。
でも、読み進めていくといろんな悟りがあったんです。
お聞き苦しいでしょうが、読書メモとして自分の実体験をもとに語らせてもらいますと・・・
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映画篇
物語の力が弾ける傑作!!
笑いと感動で胸が温かくなる傑作ぞろいの作品集。『ローマの休日』『太陽がいっぱい』など不朽の名作をモチーフに、映画がきっかけで出会った人々の友情や愛を描く。
またしても勘違い。
映画の評論を金城さんが面白おかしく書いたエッセイかと思ってた

だって、最初の話なんてまんまエッセイ!?って感じやったし。
正式には懐かしの映画を絡めた短編集。
でも、なぜか最初の頃、読んでるとエッセイに思えてきた。
でてくる「僕」が映画好きで、賢くて、影があることで金城さんの過去の自分を投影したものなのかな?と思った。
そのくらい自然に、時間とお話は静かに進んでいく。
ブロガーさんからとても評判がいいけど、もっとひっそりと好まれるような本かなぁと思う。
めちゃめちゃ面白い!ってわけじゃないけど、「あ、おもしろいな」とかそんな感じ。
でもでも、「ドラゴン怒りの鉄拳」はとてもよかった。
たぶん、ふとした時に思い出す小さな幸せの余韻を残してくれる話だ。
ペイルライダーもよかったなぁ。
見た目はへんてこだけど、ハードボイルドなおばちゃんが、赤の他人にもたらす小さな奇跡と悲しい物語。
子供は余計な心配なんてしなくていいんだよ。子供はね、好きな食べものと、大人になったらなりたいものと、好きな女の子のことだけ考えてればいいんだよ。
というセリフがあって、そんな風に言ってあげられる大人も今いないんだろうなー、とか今は子供に大人がいろいろな物を背負わせてしまってるんだな、と思いました。
それと、愛の泉もよかったー。これは唯一?感動じんわりほんわか話。
家族っていいなぁと思います。
最愛のおじいちゃんを亡くして元気をなくしたおばあちゃんにおじいちゃんとの思い出の映画を大スクリーンで見せてあげようと奮闘する孫たちの話。
ここに出てくる全員がいい。
おばあちゃんから溢れる母性と安心感と、孫たちのおばあちゃんを大切に思う心に心があったかくなる。
おじいちゃんとの馴れ初めを語るシーンで、
あのさ、こんなこと言うのは照れ臭いんだけどね、その日からね、おばあちゃんはね、おじいちゃんがそばにいないなんて考えられなくなっちゃったのよ・・・。
おじいちゃんがいないと、だめになっちゃったのよ・・・。
のところにかなりジーーーーーーーーン

たぶんね、愛情なんだよ。
両親が愛し合って、愛する人の子供を可愛がって、そしたらきっと親から子へ、ずっと愛情は伝わってくるんだよ。
だから、好きな人としよう。お見合いでも恋愛でも絶対にこの人がいいと思える人にしよう。
そう思った。
なんだかんだいっても、私も絶賛しちまった
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ブラックボックスかー。
そう言われてみるとそうかも。
角田さんはシビアなんですよ。たぶん。
たとえば、「もしあの時○○だったら〜」と結果を不慮のきっかけのせいにする人がいますが(特に恋愛において)、角田さんが恋愛小説を書くと、そうならない。
そういった意味で、この人の恋愛小説には夢がない。
だから失恋した時とか、恋愛の絶頂期を過ぎたときに読むことをオススメします。
この内容、決して面白くないわけじゃないんですがびっくりするくらい何も残らなくて、
読み終えた後、ほとんど話の内容を忘れてしまいました。
最後の「福袋」の解釈もちょっといきなりすぎてびっくり。
一つぐらいハッピー全開なのが入っててもいいだろうに・・・。
角田さんの大ファンって人は、このシリアスさがよいのだろうか。
装丁はとってもかわいらしいのにー。
マダムだもの
小林さんって、さっぱりしてて、清潔感があって、ハキハキしていて見ていてとっても気持ちのいい女優さん。
ワタシは最高にツイているが、ものっすごい人気だったので、こちらをお持ち帰り。
読みやすい!面白い!
小林さんから見た三谷さんが泣き虫でよわっちくてかわいらしい
お互いを尊重しつつ自由を楽しむみたいな感じがいい!!!
いい夫婦だなぁって思いました。
ますますファンになっちゃった。
All Small Things
「ねぇ、恋人と過ごしたどんな時間が一番心に残ってる?」 片思いの人との散歩、中学生のときの帰り道…。瑞々しくつむぎだす12人の恋模様。100人アンケート「あなたにとって心に残るデートってなんですか?」を収録。
友達に勧められて読んでみた。
私、角田さんの後味悪いのが苦手なので友達に「大丈夫?大丈夫?」って確認して読んだ。
あら、素敵な本じゃない

素朴系が好きな人にはすごくお勧めですね。
私は恋とは無縁だった地味な30代カップルの話がとても好きだなぁ。
初めての恋にもっとのめり込みたいのに全然自分を変えなくてもよい気楽さにもやもやする女と、
そのままの自分で付き合える心地よさを感じている男。
ごく普通のどこにでもいそうなカップル。
この女カヤノのセリフで
自分でもよく分かっているけれど、カヤノは自意識過剰であがり症で心配性だ。
長年いっしょにいる女友達ならいざ知らず、さほど慣れていない人と話していると、どんどんペースが崩れてしまう。
相手にいやなおもいをさせないように、嫌われないように、そんなことを思いすぎて、自分がいったいどんなキャラクターだったのかわからなくなることが、じつはよくある。
というのが、あるあるある!とすごく共感できた。
他にも、年配のさめきった夫婦のデートの話が印象的だったなぁ。
食卓のイメージがくっきりとできた、将来が浮かんだというのは価値観があったからなのかなーと思う。
この年配者のデートの話はいろんな人に読んでもらいたいなぁ。
特に結婚を意識してる人、もしくは結婚してる人に。
全体的にホントに小さな恋愛にまつわることを呟く小粒な本なんですがすごくよかった。
100人アンケートのデート話もよかった。
小さなことでも、なんだかキラキラ
輝いているように見えた。無性にデートがしたくなるな
女たちの内戦
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結婚相手を探して合コンにあけくれる真樹29歳、家庭に安住しながらやりたい仕事を模索する佳乃34歳、望んだわけでもなくバリバリのキャリアの道を歩むめぐみ39歳、離婚後自分の店を持ち岐路に立たされる治子45歳。4人の女たちの内なる戦いを描く連作短編集。
あんまり好きじゃない。女のいやーな嫉妬心を描いた作品なんですが読んでいて気持ちのいいものではない。
でも実は、29歳OLの話にはちょっとだけ共感してしまいました。
私が26歳独身彼氏なし、恋をしていないという環境がリンクしたせいかも。
まぁあそこまでは思いませんが、多少思うことはあります。
で、周りにそういうタイプの子はたくさんいます。
あぁ、こうやって恋愛が遠のいていくんだな、と気をつけなければと思いました。
他の話はわからなくもないけど、ピンとこないもので、
年齢が近付いたらわかるようになるのかなーと他人事。
年をとるのが嫌になるような本でした。
陰日向に咲く
<評価>

<ストーリー>
お笑い芸人・劇団ひとり、衝撃の小説デビュー! 「道草」「拝啓、僕のアイドル様」「ピンボケな私」ほか全5篇を収録。落ちこぼれたちの哀しいまでの純真を、愛と笑いで包み込んだ珠玉の連作小説集
<感想>
視点が地味。地味なのに面白く読めました。
意外とおもしろい、という巷の評判は本当でした。
特にアイドルファンの健気?な愛が、劇団ひとりらしい視点だなぁと思いました。
登場人物はみーんな、自分の感性で生きていて、他人に迷惑をかけてるわけじゃないけど、良くも悪くも自己完結型な人間です。
どことなく、ひとりさんを反映させてるのかな?
私は劇団ひとりの独特のセンスと古風な雰囲気が大好きで、俳優としての彼も好きなんですが、作家としても十分楽しませてもらいました。
ただ、コレが映画となるとどうなんだろう・・・。
舞台の方が面白そうだけどなー。
ここまできてそれなりにわかったこと
Amazonおすすめ度:

<評価>

<内容>
人間バカでも二千年もやれば少しはわかるもんさ、ま、わからないものはさておいて、というあたりでどうでしょう。いちおう、ここまできてそれなりにわかったこと150項目ばかり。新世紀を迎えて、五味太郎の前世紀総括レポート。
<感想>
タイトルどおり、五味さんが生きてきた中でわかったことをポンポン書いていってる本。
子供も読めるけど大人向けかな?
なるほどー、深いこと書いてるな、と思うこともあれば、加工乳の説明とかどうでもいいことも書いてある。
「勝手なこと言って勝手に絵を描いているのは、やっぱり楽しいなぁ」
と五味さんも言ってるけど、すっごく自由に作られている。
字も少ないし、余白が多く、イラストも落書きっぽくてかわいい

その自由さが読んでいて、すっごく楽だった。
やっぱりこれも五味さんの主観で書かれているから「これが正しい!」ってわけじゃないだろうけど、自分の主張をここまで明確に簡潔に理解し、表現できるっていいなぁと思った。
私はそういうのがすっごく下手で、ついこないだも友達に
「sonatineちゃんにとって人を好きになるってどういうこと?」
って聞かれて
「わっかんない」
て答えて友人を困惑させたばかり。
そういうのって頭で考えるもんじゃなくて、気がついたら好きになっちゃった!ってもんじゃないのかなぁ?
(うわー我ながらなんとベタなセリフ
)まぁ脱線したけど全体的に
おとぎ話とか社会通念とか人からの意見に影響されすぎずに自分が今感じていることが一番本当なんじゃない?って語りかけてくれるような気がした。
自分を貫くというスタイルはやっぱり芸術家らしい感じ。
でも決してそれが嫌ではなくて
難しいことをシンプルにする、
簡単なことを難しくしないというスタイルは好感が持てた。























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