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舞台


舞台舞台
(2014/01/10)
西 加奈子

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「生きているだけで恥ずかしい――。」自意識過剰な青年の、馬鹿馬鹿しくも切ない魂のドラマ!
29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。初めての一人旅、初めての海外に、ガイドブックを暗記して臨んだ葉太だったが、滞在初日で盗難に遭い、無一文になってしまう。虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に……。決死の街歩きを経て、葉太が目にした衝撃的な光景とは――?


たぶん、この主人公の気持ちをわかる人とわからない人といると思う。
程度の差こそあれ、わたしは葉太の気持ちがよくわかる。

どうすれば、ふつうなのか。どうすれば、かっこいいのか。

考えるから、どんどん普通から離れていく。

自意識なんて、ない方が楽だ。
その方が自然体で生きられる。
そして、葉太のような失敗も、しないだろう。

こういういらない感情は、ニューヨークで一文無しぐらいの派手さがないと手放せなかったんだろうな。
どん底を味わった人が、ガラリと変わるという。
逆を言えば、ガラリと変わらずに自意識を持ち続けている人は、良い環境にいるということか。

「その苦しみは、お前だけのものなんだ」

普通呪縛からの解放。
そのここちよさったら、ない。
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わたしをみつけて

わたしをみつけてわたしをみつけて
(2013/07/11)
中脇初枝

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いい子じゃないと、いけませんか。
施設で育ち、今は准看護師として働く弥生は、問題がある医師にも異議は唱えない。
なぜならやっと得た居場所を失いたくないから――


医療ドキュメンタリーっぽい話かなぁと思っていたら、全然違ってました。
主人公の弥生は捨てられて施設で暮らしてきた。両親はいない事で、保証人が立てられない。
そしてそのことは誰にも知られたくない。
だから器用に生きて、無難に生きて、無難に死ぬのを待っている。
とても頭がよいのに、心がぽっかり穴があいているように冷たいと思った。
その冷たさが弥生だった。

それが、新しく入った看護主任、近所のおじちゃんと出会うことで少しずつ変わっていく。
今いる場所がたとえ何もなくても、前を向いていける。
最後の弥生、そして他の職員の変わりっぷりは希望に満ちていて、前へ前へと気持ちを突きだす。

出会いは人をこんなにも変えるんだなぁって。

前作の「きみはいい子」ででていた学校の先生がでてきて、その成長に涙、涙、涙

中脇さんの本は2冊目。
主人公たちはみんな、カッコ悪すぎる。
何度も諦めて、逃げようとして・・・
でも最後は転んでも、前を向いて立ち上がる。
素晴らしい、小説でした。また読みたいです!!!

きみはいい子

きみはいい子 (一般書)きみはいい子 (一般書)
(2012/05/17)
中脇 初枝

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ある雨の日の夕方、ある同じ町を舞台に、誰かのたったひとことや、ほんの少しの思いやりが生むかもしれない光を描き出した連作短篇集。
夕方五時までは帰ってくるなと言われ、雨の日も校庭にたたずむ生徒と新任教師との心のふれあいを描く「サンタさんの来ない家」をはじめ、娘に手を上げてしまう母親とママ友との物語、ひとり暮らしが長くなった老女と、家を訪ねてきたある男の子との物語など、胸を打つ作品を五篇収録。



宮下奈都さんの本で紹介されていて、興味をもったので読んでみました。

タイトルから本屋さんで見たときにドキリとするタイトル。
中身は虐待で、読めるかなぁ・・・と不安になりながら読む。
本を読むというよりも、物語という湖にどっぷりつかる感じ。
どの話も素晴らしかった!
伝えたいのにうまく伝わらなくて、いい言葉とか救いたい想いはあるのに、そういうことができない。
それでも、ちょっとしたことがきっかけで誰かを救う人にもなれる。
うまい言葉がなくても、伝えることを諦めなければ。

いろんな人がいる。いろんな考えがある。
そんなことを教えてくれた、印象深い一冊。読めてよかった。

猫鳴り

沼田 まほかる
双葉社
発売日:2010-09-16


ようやく授かった子供を流産し、哀しみとともに暮らす中年夫婦のもとに一匹の仔猫が現れた。モンと名付けられた猫は、飼い主の夫婦や心に闇を抱えた少年に対して、不思議な存在感で寄り添う。まるで、すべてを見透かしているかのように。そして20年の歳月が過ぎ、モンは最期の日々を迎えていた…。「死」を厳かに受けいれ、命の限り生きる姿に熱いものがこみあげる。


あらすじだけ見ると、ペットと人間の心温まる話~って見えるけど、
全然違います!
第一章で、猫は何度も捨てられるし、第二章では共食い?しちゃうし、でてくる人間たちも、心の闇が大きくて、暴れだしそうな人ばかり。
でも、第三章はすごくよかった。ウルっときた。
わたしが猫なら、どうするかなぁ?

神様のカルテ2

夏川 草介
小学館
発売日:2010-09-28


医師の話ではない。人間の話をしているのだ。

栗原一止は夏目漱石を敬愛し、信州の「24時間、365日対応」の本庄病院で働く内科医である。写真家の妻・ハルの献身的な支えや、頼りになる同僚、下宿先「御嶽荘」の愉快な住人たちに力をもらい、日々を乗り切っている。
そんな一止に、母校の医局からの誘いがかかる。医師が慢性的に不足しているこの病院で一人でも多くの患者と向き合うか、母校・信濃大学の大学病院で最先端の医療を学ぶか。一止が選択したのは、本庄病院での続投だった(『神様のカルテ』)。新年度、本庄病院の内科病棟に新任の医師・進藤辰也が東京の病院から着任してきた。彼は一止、そして外科の砂山次郎と信濃大学の同窓であった。かつて“医学部の良心"と呼ばれた進藤の加入を喜ぶ一止に対し、砂山は微妙な反応をする。赴任直後の期待とは裏腹に、進藤の医師としての行動は、かつてのその姿からは想像もできないものだった。
そんななか、本庄病院に激震が走る。



今回も素直に「読めてよかったなぁ」とジーンときました
同窓の進藤が加わったことで、迷い、病み、未熟、発展・・・と、より人間らしいお話に。
こういう病院のスタッフとして働けたら夢があっていいなぁ。
というか、もっと自分も頑張らなきゃな、と思いました。
信念を持って仕事をしたり、悩んだりする人たちは素敵です。

今回は、医者も人間。
過酷な労働と求められることの大きさ。
そして、自分だけでなくそれを支える家族も大変。
思った以上に医者というのは想像を絶する世界なんだな、と思いました。
(医者もそれぞれですが

「医者の話ではない。人間の話をしているのだ」

の名台詞が聞けたときはグッときましたね。


「無理が通れば通理引っ込む」

何かを変えたい!やり遂げたいって思ったら、今までの常識をふっ飛ばしてでもやってしまえば、
やり遂げられることがある。
そんなことを思いながら読み終えた。
しかし、調べてみると、正しくは
まちがったことが堂々と行なわれると、
正しいことが行なわれなくなること

の意味だった
栗原先生のようにすらすらと日本語を使える日は程遠い・・・

作者の夏川さんは待遇もお医者さんで地域医療をされている方。
地域医療の医師の叫びのようにも思えます。
それだけでなく、人間ドラマとして描かれているところに惹かれました。

これ、映画化かー。宮崎あおいちゃんはイメージ通りだけど、櫻井君、どうなんだろう・・・。
頑張ってほしいです!

ハルは仕事辞めちゃうのかな?辞めなさそうなけど、実際はやめた方がうまくいくかもなぁ。
すごく仲よさそうなふたりですが、時間的にはすれ違いなふたり。
信頼関係で結ばれているけど、実際ハルの立場なら寂しいだろうなぁ。
信念をもった男に惚れたなら、自分もしっかりとしていなければいけないんだなぁ。
もともと可愛らしいハルですが、しっかりしていて、理想の嫁さんだなーと思いました。

続編でるのかな?カスヤナガトさんのイラストでまた見たいです!

祝福

野中 柊
角川書店
発売日:2006-09-26


光と闇が交錯するこの世界で、かけがえのないだれかとめぐり遭えたことの喜び。甘やかで、切なくて、くるおしくて、いとおしい…。幸せな予感に満ちあふれた表題作「祝福」を含む、色鮮やかな6つの恋の物語を収録。



野中さんの意外な小説。いや、びっくり!読み応えありましたー。
ずっしりです。おかしで言うならブラウニー。ちょっぴりビターの。

隣のセカンドハウスの女の子と逢瀬とティータイムを重ねるうちに好きになっちゃった男の子の「ティータイム」と、姉妹の結婚・離婚の話の「銀の糸」がお気に入りです。
そのほかの話もとってもよかったです。
言葉とか話とかがすごく上質で、どっぷりはまってしまいました。

赤い糸なんてものはない。
代わりに、あるとしたら、銀の糸。
運命に導かれつつも、自分の責任で選んだ相手と意志的に結ぶもの



が特に印象的かな。

恋愛は片思いでも失恋でもしないよりしたほうがいい。
恋っていいなぁ~、もうずいぶん恋してないなぁとしみじみ。

泥棒猫ヒナコの事件簿 あなたの恋人、強奪します。


このままじゃ、私殺される…!年下彼・英之のDVから逃げ回っていた梨沙は、ケータイに出ていたアヤシイ広告に飛びついた。「あなたの恋人、友だちのカレシ。強奪して差し上げます。」梨沙の依頼を受けた、“泥棒猫”こと皆実雛子が、英之の男心を“強奪”する方法は?そして、雛子の献身に、いつしか梨沙の心も癒されて…。恋のダークサイドを知ってしまった全女子必読のサスペンス。


書店で気になり購入~。
さいきん、ふと目に入った本が当たりなことが多いので嬉しいです
返却が面倒になってきたので、最近はもっぱら中古かお買い上げが増えてきました。

この本も、とってもおもしろかったです。
ヒナコのテクニックも見事だし、それぞれ違った悩みを抱えているクライアントにいうアドバイスが、人を見る目があるなぁと感心させられます。
割と後味がいいのも好きです♪読んでいてスカっとしました。
ぜひぜひ続編を出してほしいです!!!

いちにち8ミリの。

中島 さなえ
双葉社
発売日:2010-08-10


好きな彼女に会いたくて、1日8ミリずつうごく石と、石と話のできるペットの猿を描いた表題作の他、「ゴリづらの木」「手裏剣ゴーラウンド」など、どこかにありそうで、どこにもなかったお話3篇収録。懐かしくて胸の奥底をぎゅっと掴まれるようなこの短編集が小説デビュー作となる。父・中島らもを超える物語の紡ぎ手の登場!


★★★★★

今年ナンバーワンの本かも!ちょっとウルっときました。
こういうありそうでないような、童話チックな話大好きです。

ゴリづらの木・・・・
猫背な女の子とゴリづらの木にいる少年の話。あったかくてこの話が中でも一番好きです。
誰かに感謝すること。恨まないこと。澄み切った気持ちにさせらえれました。

手裏剣ゴーラウンド・・・
先祖の敵?でタイムスリップしてきた忍者から監視されるようになった廃園寸前の遊園地園長のお話。
ううう・・・これもまたよかった。
人間同士の関係って、置かれている環境が決めるんじゃなくて相性が決める。
付き合うごとに「あ、こいつ好きだな」って思えばうまくいく。
そんな単純なものであったらいいのに・・・。
男同士のさっぱりとした友情?が好きです。

いちにち8ミリの・・・
女の子に恋する石と同じく恋する猿のお話。
人間の身勝手さ。動物の一途さ。そして抑圧された野生の力。
小さなものも、力がある。
なんかうまく言えないけど、相手に好かれようと努力するのもいいけど、
相手を好きだという自分の気持ちを大切にしたいって思いました。
見返りよりもひたすらに相手を想う。
そんな風に人を愛でていきたいなぁ。

どの話も忘れられない、素敵なお話でした★オススメ!!!

小さいおうち

中島 京子
文藝春秋
発売日:2010-05


★★★☆☆

赤い三角屋根の家で美しい奥様と過ごした女中奉公の日々を振り返るタキ。そして60年以上の時を超えて、語られなかった想いは現代によみがえる。


直木賞受賞作品。
こういう古風で、知恵があふれていて、品がある作品はいいですね。

小さいおうち、とは思えないけどそこで繰り広げられる世界は、
今のように世界を相手にするわけでもなく、多くの人と関わるわけでもなく。
ただ、こじんまりとした人間関係で時とともに緩やかに変化していく。
そういう生き方も、素敵だなって思いました。
タキは、女中の仕事に誇りを持っていて、奥さまや一家の幸せを何より願っている。
プライベートとか個とかそういうのはない。
そこまで信じれるものがあったら、潔く生きれる。

祖父の話を聞くと、若い時は働き通しで、遊ぶ暇はほとんどなかったらしい。
生きがいとか自分らしさより、生活のことで精いっぱい。

今は、選択肢がたくさんあって、便利で、世界が広すぎて、
わたしはどうしていいのかわからなくなる。

そういうわたしに祖父は、
「じいちゃんなら、今の若い人の時代は生き難いやろなぁ」
といった。
わたしは、逆に祖父の時代は生きれないだろうし、今の平成世代の子の時代も生きにくそうだな、と思う。

個よりも「家」がすべてだった昔。
自由すぎて迷いやすい今。
自分を見失わなければ、昔よりもうんと生きやすくなった、今。
それが今の時代なのかもしれない。

炎上する君

西 加奈子
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010-04-29



恋に戦う君を、誰が笑うことができようか?何かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、小さいけれど大きな変化、奔放な想像力がつむぎだす不穏で愛らしい物語たち。



★★★★☆

西さんが自由に楽しく書いたという短編集。
何が言いたいのかさっぱりわからない不思議な話もあるのだが、西さんに限っては嫌じゃない。
話は話を楽しめばいい。

「ある風船の落下」が特にいい。
ファンタジーなのに、叫びたくなるような癒しがあった。
西さんの本を読むと、美しさを考える。
外見上の美しさが何?美しいというのは、自分が好きでいられたら。一つでも自分を持てたらいいんじゃない?
そういう漠然とした倫理観が心地よくて、何が言いたいかなんて正直どうでもいい。
心を解き放て。
この人の本を読むとすべてが許されている気がするのだ。
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