あめふらし
ウヅマキ商会を営む橘河にタマシイを拾われた岬。「きみが生きているのは、おれがタマシイを掴まえているから。しばらくおれのところで働いてもらう」 しかし、仕事の背後に怪しい気配が…。極上の和風幻想譚。
寝起きに読んだので内容をうまく理解できなかった面もありますが、おもしろかったです!!
じめーっと湿っていて、艶のある作品。
これは梅雨にぴったりだと思います。
長野作品を読むと、毎回独特の美しい世界観に浸ってしまう。
同時に美形は得だなぁとつくづく思います
ことばのブリキ罐
Amazonおすすめ度:

ことばの森を旅するための不思議の国のガイド・マップ。乗物、お菓子、おもちゃから星座、鉱物、草花まで、懐しくってエキゾティックな自家製ディクショナリー。
長野さんの独特な古風な言い回しが好きです。
辞書で気になることばを捜したり、色味を表現するときになるべくカタカナを使わないこだわり。
そういったものが、美しい世界を紡いぎだしているんだなぁと思いました。
日本語ってきれいに使えば美しいなぁと思いました。
火の粉
![]() | 火の粉 雫井 脩介 (2004/08) 幻冬舎 この商品の詳細を見る |
<ストーリー>
「私は殺人鬼を解き放ってしまったのか?」
元裁判官の隣家に自分がかつて無罪判決を下した男が越してきた。
申し分ない善意の対応は彼の家族の心をつかんでいくが、
次々と彼の周りでは不吉な事件が増えていく。。。
<評価>

<感想>
有名作品なので、私が言うまでもないかもしれませんが
めちゃめちゃおもしろかったです!!!
最初、元裁判官の一家の主の視点なんだけど、
話を引っ張っていくのは、その妻と、息子の嫁。
介護や育児、ストレスと戦いながら毎日必死で生きてる。
女性の描かれ方がとてもリアル。
それぞれの視点があって、どの人も行動には理由がある。
自分の色眼鏡で見れば、それが変わってる、と思われても。
逆の言い方をすれば、
この家族、みんな自分だけはまともな感じに思っている。
実際は、みんな変にも思えるし、そうでないようにも思える。
裁判の冤罪や制度についてもふむふむ、と勉強になるけど
もっと深いとこをぐいぐいっとやられる感じです。
見たくない自分の本当の気持ち、弱さをそれぞれの人物は事件のたびに思い知らされる。
それはあの人物も同じ。
自分や自分の周りにだけ火の粉が降りかからなければいい。
そういう気持ちは、どんな正当な理屈を並べても大抵の人は逃れられないことだと思う。
裁判官は司法という名のもとに、公平に判決を下す。
いくつもの事件を冷静に、隙のないように完璧に。
つらい仕事だろうか?それとも何も感じなくなるのだろうか?
いざ自分の身に火の粉が降りかかってきたとき、
モラルや常識、世論、そういったものはきっと全部ぶっとんでしまうだろう。
光市の母子殺人事件を思い出しながら読んだ。
きっと弁護団も裁判官もいろんな人たちが火の粉をかぶった当事者なら、同じことは言えないだろう。
司法は平等であるべきだ。
ただ、私が言いたいのは
みんな、火の粉を自分の身に降りかかることを怯えている。ということ。
どんなに勉強しても、冷静な自分を築き上げてきたつもりでいても
実際に言葉では言い表せないようなことが起きたとき
理性なんてものは役に立たない。
誰のせいか。ただの偶然か?
奇妙なことが度重なり、それぞれの気持ちも大きく揺れ、
事実をわかりにくくさせる。
500ページという長編なのに、最後までまったく飽きさせない展開。
久しぶりにミステリーっぽいのを読んで、おもしろー!!!とガッツポーズ。
読み終えるのが惜しくて、でも早く続きが読みたくて今日はダッシュで仕事終わらせて読書タイムでした。
あー幸せだ♪こんなに胸がドキドキハラハラ揺さぶられたのって久しぶりかも。
いつも軽いタッチのを好んで読むんですが、これは私の知り合いの人に面白いから、と2年前?くらいに薦められて放置してた本。
でも、読めてよかったぁ!!!
とにかく読んでない人は読んでみてください!!!
しずく
<ストーリー>
・・・・・・・・・・・・・・
そうか、あなたがいたんだ。
迷っても、つまずいても、泣きそうでも。
人生って、そう悪くない
・・・・・・・・・・・・・・
・幼なじみ
・三十女と恋人(バツイチ)の娘
・老婦人と若い小説家
・旅行者と嘘つき女
・二匹の雌猫
・母と娘
少し笑えて、結構泣ける、「女どうし」を描く六つの物語
<評価>

<感想>
ずーっと小説を読む気になれなくて、実用書ばかり読んでました。
気持ちが落ち着かなくて、自分と向き合うゆとりがなかった。
そんなとき、友達から本を紹介をされ、読書意欲を取り戻した!
読んでみたら、読書熱再燃焼

読書をしたことで、以前の自分のペースを取り戻せてきました。
他人の世界を垣間見て、共感し、学ぶという楽しさ。
そっかー、私読書好きだったよなぁとしみじみ感じました。
その小説リハビリ?の一冊目にこの本を選んだのはつくづく正解だったと思います。
日常的な話で、変わったことは何一つない。
主人公たちはかっこよくもない、普通の人。
見栄はったり、臆病になったり、人のことを羨んだり。
生き方に正解はない。
自分でその時イイと思ったことをやっていけばいいんだなぁと気づかせてくれました。
これがやたら元気のよいお話だったり、サクセスストーリーやミステリーだったら、落ち込んでたかも。
なんというか、気持ちが穏やかになるお話でした。
お気に入りは、三十路と恋人の娘の話の「木蓮」が
と笑えてオススメ!でも、「影」もよかったなぁ。
決め付けれる嫌悪感と、自然体でいることの難しさ。
受け入れられたときの嬉しさと、裏切られたときの悲しさ。
どれもわかりすぎるくらいわかる。
そのどれもが私らしい私だと気づかされた。
猫が主人公の、表題作「しずく」もよかったなぁ。
私動物が主人公のものって苦手意識があったけど、
童話っぽくって簡潔で読みやすかった。
変わっていってしまう過程がリアルにイメージできる。
胸がギュと切なくなるお話でした。
シャワーキャップも・・・よかったなぁ。
のほほんとしたお嬢様育ちの母親としっかり者の恋に悩む娘の話。
親子愛を感じました。
言葉を巧みに使う人もいる。行動で示す人もいる。
言葉がほしい人も、行動がほしい人もいる。
人それぞれ。
でもどちらも深い、深い愛情があり、それを感じ取り受け取ることができれば、とても幸せなことだと思う。
考えすぎる人にとって、無邪気な人は羨ましく、歯痒くもなるときがある。
でも、同時にその無邪気さにホッとさせられるときもある。
どの話もよかったなぁ。
西さん、色々な引き出しをもってますなぁ。
ひとを愛することができない
![]() | ひとを愛することができない―マイナスのナルシスの告白 中島 義道 (2007/02) 角川書店 この商品の詳細を見る |
<内容>
人を愛することの困難。愛という名の暴力と対峙するための哲学エッセイ集。
果たして、ほんとうの愛とは何なのだろう? 愛に不可欠の条件、愛という名の暴力や支配、掟と対峙し、さらには自己愛の牢獄から抜け出すために。闘う哲学者の体験的「愛」の哲学!
<感想>
ずいぶんと久しぶりの更新となってしまいました。
久しぶりに読んだ本がこれです。
このタイトルを見たときに「ビビビ」っときて即購入。
結論から言いますと
私は人を愛せない人間ではありません。
でも、他の人のように無意識に愛する、ということが困難なことは著者と同じです。
本文中にあるように、愛すべき存在がピンチのときに、対応を問われる。
そのときにまず働くのは理性。
本能じゃないんです。周りの目を気にして、自分の気持ちを優先して
極めて冷静に対応している自分がいる。
たとえば子供がいる。かわいい〜と素直に寄っていく女性たち。
私もそのひとり。
違いは、私の心は本能ではない、ということ。
ピンチが怖い。のは一緒。
著者は家庭環境で、愛の大切さを反面教師で痛いほど知り尽くしてるのに、父親のように人を愛せない自分に自責の念を抱いている。
父親との違いは、それを罪だと認識していること。
愛したいと願いつつ、愛せない。
愛されたいと願うのに、愛されるのが怖い。
ひとを自然に愛することができない。
ならばどう生きればよいのか?
というのが帯にあったんだけど、
結論として、愛せないならしょうがないじゃん
ということかしら?
後味のよい終わり方じゃなくて、苦しみは続く。
彼のように本当に人を愛せないという人はマレだと思う。
ただ、時にところどころ「愛」という言葉が重過ぎて
愛せないのでは?と不安に思ったりする。
文中に愛についての定義があって、外見も内面も含めて変えられない唯一無二のもの、みたいな表現で示してあったんだけど
私もそんな風に人を愛してみたい。
愛されてみたい。
そんな風な恋愛をしたいと思ったよ。
私、哲学書って苦手なんだけど、これは読みやすかったです。
また、愛って何?と思ったときに読んでみたいと思います。
宇宙授業
![]() | 宇宙授業 中川 人司 (2006/07/20) サンクチュアリ出版 この商品の詳細を見る |
ハッピーガールの本棚さんの記事をきっかけに読みました。
落ち込んだとき、宇宙のことを考えると自分の悩みや存在がちっぽけなことに思えてきて、なあんだ、たいしたことじゃないんだって思えてくる。
だから昔から宇宙とかブラックホールとかそういうのが大好きでした。
この本は、宇宙のことについて、ものすごくわかりやすく書いてある。
宇宙のことを書いてあるのに、あれれれ?
なんだか心の中にずしんと響いてくる。
宇宙の法則は、私たちの生活にも浸透してるんだなぁって思いました。
一番、へぇぇ〜って思ったのは「月に住めるの?」って話。
到着すればスムーズにできるんじゃなくて、それからも新たな課題がたくさんあって、でもそれは今までの歴史から言っても不可能じゃないよ、って話。
「人はふたたび、月を訪れる」
で章を締めくくってるとこもいいなぁ。
シンプルでわかりやすく、無駄のない素敵な本でした。
天然理科少年
<評価>
ふつう
<ストーリー>
放浪癖のある父に連れられ転居をくりかえす岬は、転校先の山間の中学で、不思議な少年・賢彦に出会った…。飛び級をしたのではないかと思われる程小さい賢彦に、好奇心をむき出しにする岬であったが…。
<感想>
時々無性に、長野さんの文章を読みたくなる。
独特の美しく古めかしい言葉遣いに、浸りたい気持ちでいっぱいになる。
他にも美しい文章を使われる作家さんはいるのに
長野さんじゃなければだめなのだ。
美しいものに触れたい。
美しい世界に浸りたい。
繊細で純粋なようで、人を傷つけたりする図太さもある。
浮世離れした世界。
現実とは似ても似つかない世界が、いい。
そんな期待をしてしまう。
さて、この天然理科少年はというと、
あれれ、現代的というか…危うさがない。
あたしが求めてるのはもっとアンバランスでふらふらする感じなのー!
・・・と思いつつもすいすい読んだんだけどね。
まぁ、オチは段々読めてくるんだけどもいんじゃない?
天然理科少年やその他に関する説明がいきなり所々にでてくるんだけど、これはいらないのでは???
面白くないことはないけども、これは長野さんの中ではベストではない。そう思った。
love history
<評価>

<内容>
結婚を明日に控えた由希子は、昔の恋の思い出の品を捨てに出かけて雪山で事故に。気がついたときは、19歳の頃の「恋の時代」に逆戻りしてしまう。不思議なことにひとつの時代にとどまらず、彼女が経験した「恋の時第」すべてに。24歳、17歳、22歳、30歳…。現在の時間の中では、彼女と婚約した恋人が、行方不明になった彼女を探している。忘れていた恋の思い出。忘れようとしていた恋の思い出。振り返りたくもない恋の思い出。もう一度会いたかった恋の思い出。由希子は「あの頃」は知らなかった恋の本当の姿の前で、ためらい、立ちどまる…。「電話をしても出ないし、家にもいない、車で出かけたみたいなんだ。こんな真夜中に。明日、結婚するっていうのに」由希子は「現在」に戻ってこれるのか…。忘れられない恋を持ちつづける、あなたに伝えたい恋愛小説。
<感想>
ダ・ヴィンチの紹介で気になっていて読んでみました。
過去の恋を振り返るいいきっかけになる本だと思います。
過去に戻れて、変えれる環境にいたら自分はどうするか。
私は結構変えちゃうかも

主人公の女性は、恋愛経験があって、成長している大人な女性。
過去の恋に縛られるほどはないけど、振り返ってみることで、今の現実をより納得できるものにしていくんだけど、この女性に関しては結婚相手に対して迷いはないし、過去に飛ばなくてもよかったんじゃないかな?と思いました。
今の恋人が自分を今は好きでいてくれるけど
当たり前だけど過去には他の人を好きでいて、それぞれ人には恋愛の歴史=love historyがあるんだなーと思いました。
そこそこ面白くて、考えさせられるんだけど、私には絶賛するまではいたらなかった

ある程度の恋愛経験と偏差値を要する本だと思います。
いい本であることは間違いないんだけど、万人受けする本じゃないと思うんだけどなー。
みんなそんなに本当の恋愛をしてるのか!?
私は恋愛に関しては、本当の恋愛というのをしたことがないようなので。これを読んであせりました

んで、恋愛がしたくなりました。
恋愛のすべて。
Amazonおすすめ度:

<評価>

<内容>
異性との出会いから恋の成就まで、様々な恋の悩みに作者が体験をもとに解決法を伝授する。『ヤングユー』掲載の恋愛エッセイ「オンナの花道」の単行本化。
<感想>
これを読んだとき、目からウロコが落ちました。
あまりにも自分が日ごろ思っていることとおんなじだったので。
嘘だと思うなら、この記事を読んでごらん!
そうよ!恋愛は妄想力なのよ。
恋愛できない女はトキメキ能力=妄想力に欠けてるのよ!
(*例外あり→オタク*)
小悪魔テキニックだぁ〜?あたしはもてたいわけじゃないんだ!
チヤホヤされたいわけでも、自分のプライドを守りたいわけでもないんだ!
たった一人いればいいんだよ〜

そういうのが全部全部!詰まってました。
あー気持ちいいっ。
私、島村さんの顔を本で見たことがあるんですが、色っぽくてでも茶目っ気もありそうで、ストレートそうで。。。素敵でした

見た目も素敵ですが、恋愛の大先輩からアドバイスをもらってるようで、心地よい。
モテテクとかくどきテク、おねだりテクって感じの人を惑わす感じじゃなくて、もっと素朴。
長く長く付き合っていく相手を選ぶのに、惑わしてどうするの?
テクニックは多少必要だけど、自分じゃない何かになろうとして疲れるのって本末転倒じゃないかと思う。
上手じゃなくてもいい。そのまんまでの自分でゲットできれば大成功

恋愛ってそもそもそういうもんだったよなぁ、と初心に帰りました。
自分にとってバイブルになりそう。
ホント、恋愛のすべて。でした。
いろんな気持ちが本当の気持ち
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<評価>
好きだったり、嫌いだったり

<内容>
「サインしていただけますか…好きな言葉を書いて下さい」えっ。思わずみつめ返した。「本当にいいんですね。好きな言葉を書いて」うなずくので、僕は大きく二文字「増刷」と書いた。書いてみると思った以上に間抜けで、小さく「したい」と書き添えたらもっと間抜けになった。―セカイとジブンが愛おしくなるエッセイ集。幻のミステリー作品も収録。
<感想>
猛スピードでは母は、ジャージの二人、泣かない女はいない、など長嶋さんはタイトルのつけ方がうまい。うまいというか、興味を引かれる。
この本も、タイトルにやられて図書館からお持ち帰りした。
実は、長嶋さんの作品、ちゃんと読んだことがない。
パラパラ読んだことがある程度。
印象としては、肩肘張らずにゆる〜い気分で読めるという印象。
やっぱりゆるい人、なのである。
穂村さん、三浦しをんさんのエッセイが何となくあわない私だけど
このエッセイはOKでした。
笑いを期待しちゃいけません。
だけど、このゆるい感じが私は好きなのです。
この違いは何か?
山崎まさよし系のもっさりだからかな、と。
いい感じにゆるくて、それが味になってる人。
そういう人が好きだからかな〜と思いました。
と思ったら!
中盤になると、ちょっと理屈っぽくてギチギチした感じ。
後半になると、クールな分析型の長嶋さんが出てくる。
私は前半のほうが好みだなぁ。
そういう意味で、この本はバランスが悪い。
ひょうきんだったり、天然だったり、クールだったり、几帳面だったり…。
いったいどれが本当の長嶋さんかわからない。
…ん?
これってタイトルこのまんまじゃん!
つまり
『いろんな気持ちが本当の気持ち』
まさにそんな本でした。
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