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最後の恋

最後の恋最後の恋
阿川 佐和子 角田 光代

新潮社 2005-12-20
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<評価>
とてもよかった20060517191140.gif

<ストーリー>

それは、人生に一度だけ訪れる奇跡。こんなに誰かを好きになるのは、この恋で最後かもしれない。どんな結果に終わろうと、永遠に輝きを失わない恋がある。“最後の恋”をテーマに、人気女性作家が個性と情熱で磨き上げた、宝石のような8つの物語。ホームページ「YEBISU BAR」「Yahoo!Books」の大好評連載「プレミアムストーリーズ」がついに単行本化。



<感想>
かみさまの贈りもの、のゆうさんの記事を読んで、これはぜひ読みたい~!!!と熱烈に希望していた本が、やっと手元に届きました

最後の恋=失恋をイメージしていたんだけど、
それぞれ色んなシチュエーションで描かれていて、
えぇぇ、そんな設定できたかー!と驚かされるものもあり
この話はどういう意味の最後の恋なんだろう?って想像しながら、楽しく読めました。

アンソロジーは、結構好き嫌いがハッキリわかれるのですが、この本に関してはどの話も質がとてもよく面白かったです

いつも短編集は一気読み派なのですが、一日一話と決めて、読みたいのをぐっとこらえて大切に読んでいきました。
仕事が終わって、お風呂から上がって、一話読む。
その時間がとても贅沢な時間に思えて、自分自身もワンランク上がったような気持ちになりました。
(あくまでも、気持ちでですよ)

今回は一話ずつご紹介したいと思います
ストーリー説明を含むので、ネタばれOKという方のみどうぞ。

『春太の毎日 三浦しをん』

春太は、彼女と同棲中。
だけど彼女は他の誰かにも恋をしていて時々その男を連れてくる。
だけど俺が一番ならいいと
おおらかに彼女を愛し続ける。
こんな女最低だなーと思って読んでいたけど
途中からあれれれれー?
まさか、まさか春太がだったなんて!
最初っから最後までのほほ~んとした雰囲気で、突飛な最後の恋を描いてくれました。
先行き良好!この話をトップに持ってきて正解だなーと思いました。


『ヒトリシズカ 谷村志穂』


海外を渡り歩く恋人を待つ女性の話。
さっきとは打って変わって、大人~なお話です。
この落差がいい!!!
この女性の、家庭環境を絡めながらお話は結婚へと進んでいく。
たまにしか会えない恋人への思いは募り、会えたときの感動は底知れない。
この女の人、とても重いよ。
ステキ女子だからいいのかしら???
きっと、男が重さに耐えれなくなって最後の恋を終わりにするのかなーと思っていたら、そっちにいきましたか!
ちょっとしたサプライズでした。
彼女はカサカサしたドライフルーツのように、時間が止まり生きていくのだろう。そして、彼はずっと彼女のそばにい続ける。
最後の恋といえばドラマティックだけど、切なくて後味が悪くて、
でもそこまで好きなら簡単に忘れてほしくないと考える自分に気づき
少し落ち込む。
彼女の過去をすべて受け入れて、未来を歩いてくれる男性が現れますように。


『海辺食堂の姉妹 阿川佐和子』

主人公は、両親の食堂を手伝う仲良し姉妹。
姉は社交的なウエイトレスとして、妹は内向的な料理人として食堂を守り立てていたのだが、両親の急死によって彼女たちを取り巻く男関係に変化が見られる。
阿川さんは、ウメ子しか読んだことのないのですが
テレビで見る限りでは、ひょうきんな人だな、というイメージ。
小説でも、らしさが感じられて、読んでいてとても気持ちよく
元気になる。
料理や環境面へのこだわりが心地よく、姉妹のやり取りや心の動きが面白い。
姉妹の嫉妬話。とても楽しく読ませていただきました。
このお話が、この本の中では一番のお気に入りです
内向的でろくに男性と話もできないと思い、心配する傍ら、
女性としての魅力は自分のほうが上だと優越感を無意識に感じてた。
なのに、妹の病気がわかったとたん、ぞくぞくとくる妹の「恋人」たち。
姉はジェラシーを感じて、最後の来客に当たってしまうのだけど
その八つ当たりできるところに、このお姉ちゃんはピュアだなーと思いました。
昼どらだったら、嫉妬を隠してもっとドロドロになるでしょ。
言えるだけ素直だし、溜めないってことです。

ちやほやされたいか、能力に生きるか。
一人に絞るか、今を楽しむか。
立場が最初と逆転するから、感じ方も変わってくる。
私は最初、妹派だったんだけど、最後はお姉ちゃん派になりました。
(えぇ、平凡な幸せでいいんです)


『スケジュール 沢村 凛』

なんでも計画的にこなす特技がある女性。
結婚も計画的に行い、もう少しで実現可能。
かといって融通の利かないわけではなくて
実現可能なゆる~い計画を立てる。
そこに彼女の成功の秘訣がある。
だけど、たったひとつの誤算。
それは彼女が恋した時期、である。
柔軟性のある彼女の出した答えがキュートだな、と思う。
平凡さの中に魅力がある。
それを見つけるのは他人かもしれないし、自分かも。
まだ知らない部分が自分でもあるのかもしれない。


『LAST LOVE 柴田よしき』

長年付き合った彼氏に好きな人ができて別れてしまった。
彼は罰一で、結婚に臆病になっていた。
だから、今の彼女と別れ、好きになった人に告白することで恋を終わらせる、と告げる。
これぞ、まさしく最後の恋!?と思っていたら
最後はちょっとドタドタコメディみたいになってしまいました。
おもしろい!こんな男、絶対いやだ(笑)
恋を失い、見合い結婚の相手と恋に落ちる瞬間。
とても素敵でした☆


『わたしは鏡 松尾由美』

この作品だけ、浮いているような気がしたのは気のせいか?
文芸部の編集長をしている私の元に届いた、客に恋する鏡の小説。
作者は誰か。もしかしたら、自身を投影して書いている?
雰囲気に近いのは?実現できそうなのは?
主人公は推理を働かすのだけど。。。という話。
こうやって書いてみるととても楽しそうな話にみえるけど
どちらかというと最初からなんとなく重い雰囲気。
予想はできなかった。なるほど、と思った。
だけどあんまり感情移入はできなかった。
でも、こういう最後の恋もありだと納得した。
(ごめんなさい、よくわからない説明で)
最後のシーンがとても好き。最初の不快感や退屈さを吹き飛ばしてくれるような、映画のようなすてきなシーン。
無言の感情が伝わってきます。


『キープ 乃南アサ』

15のとき、本気で人を愛し、この人が手に入るなら何もいらないと誓いを立ててしまった。
それ以来、誰も愛せなくなってしまった。
仕事はできる。容姿も人並みはあり、それなりに声はかかる。
だけどそれよりも自分にありのままに生きてる人が気になって、目障りで、うらやましくて仕方ない。
彼女は本当の恋が見つけられるのか、という話。
なるほど、カタブツには無邪気攻撃が聞くのかー。とか
無邪気萌えするカタブツ上司萌え~とか考えながら読みました。
ゴメンナサイ。
にしても、この人、恋をして大丈夫かしら?
心配になるくらい溺れる傾向あり!


『おかえりなさい 角田光代』

このタイトル。そしてラスト。角田さんが書いたお話。
おかえりなさい、なんてタイトルつけて
ほっとさせるような展開に持っていっても
ハッピーエンドにはならない
だって角田さんだから。
絶対だまされるものか。
そう心に決めて読んだ。
何とか、その気持ちを貫くことができた。
(最後は予想外でだまされたけど)

主人公は男性。(この本では唯一男性が主人公)
貧乏だったため、宗教のパンフ配りという自給はいいけどちょっと危険はバイトを始めます。
なかなか受け取ってはもらえません。
そんな中、彼を「おかえり」「またきてね」と料理をもてなし、
暖かい家庭の雰囲気をかもし出す、赤の他人のおばあちゃんと出会います。
それは段々と居心地のよさにつながっていき
彼の求めるものがわかるきっかけになります。
男の人は、こういうのに弱いんだな、というのがわかります。
おかえりなさい、と無条件で受け入れてくれる何かを創りたかった。
もしくはたとえ短期間でも作った。
そんな雰囲気に包まれて暮らしたいのだと。
そして、それを実現できたのは大和撫子といわれた古風な女性。
ananで特集されているのは、刺激的な女性だけど
実際は古風な女性もかなりいけるのではないかと
この話を読んで思いました。

* * * * * * * *
長くなりましたが、感想は終わりです。

私の最後の恋、というのはわかりません。
だけど恋をしているときはいつも真剣だし
恋が去ったら、何も残らない。
もしくは、両手にこぼれるくらい感じていた大きなものだったとしても
恋がなくなったら
それらはさらさらとこぼれわずかにしか残らないもの。
気持ちをとどめておくことができない私は
思い出を鮮やかに記憶できる、主人公たちが
とてもうらやましいと思った。
この記事へのコメント
ありがとうございました。
おはようございます。sonatineさん。
TB、および、私の記事までご紹介いただき、本当にうれしく思っております!ありがとうございました。

私は、「海辺食堂・・」と「おかえりなさい」が、いつまでも心に残ってました。その場の情景が目に浮かぶようで、映像にしても面白そうかなと・・・(笑)
以外にも、「LAST」では、涙がでてきました。

本当に素敵なお話ばかりで、私も一話ずつ味わって読めばよかったかなぁと、今更ながら思ってます。
ゆう | URL | 2006/07/12/Wed 09:21 [EDIT]
ゆうさん、この本を紹介してくれてありがとーとホント感謝ですi-237
映像化しても面白そうですね。
特に海辺食堂は「誰がいいかなぁ?」ってキャスティングしながら読んでました。
sonatine | URL | 2006/07/12/Wed 22:06 [EDIT]
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かみさまの贈りもの~読書日記~ 2006/07/12/Wed 09:16
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