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火の粉

火の粉 火の粉
雫井 脩介 (2004/08)
幻冬舎

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<ストーリー>
「私は殺人鬼を解き放ってしまったのか?」
元裁判官の隣家に自分がかつて無罪判決を下した男が越してきた。
申し分ない善意の対応は彼の家族の心をつかんでいくが、
次々と彼の周りでは不吉な事件が増えていく。。。

<評価>
20060517191140.gif

<感想>
有名作品なので、私が言うまでもないかもしれませんが

めちゃめちゃおもしろかったです!!!

最初、元裁判官の一家の主の視点なんだけど、
話を引っ張っていくのは、その妻と、息子の嫁。
介護や育児、ストレスと戦いながら毎日必死で生きてる。
女性の描かれ方がとてもリアル。
それぞれの視点があって、どの人も行動には理由がある。
自分の色眼鏡で見れば、それが変わってる、と思われても。
逆の言い方をすれば、
この家族、みんな自分だけはまともな感じに思っている。
実際は、みんな変にも思えるし、そうでないようにも思える。

裁判の冤罪や制度についてもふむふむ、と勉強になるけど
もっと深いとこをぐいぐいっとやられる感じです。
見たくない自分の本当の気持ち、弱さをそれぞれの人物は事件のたびに思い知らされる。
それはあの人物も同じ。

自分や自分の周りにだけ火の粉が降りかからなければいい。
そういう気持ちは、どんな正当な理屈を並べても大抵の人は逃れられないことだと思う。
裁判官は司法という名のもとに、公平に判決を下す。
いくつもの事件を冷静に、隙のないように完璧に。
つらい仕事だろうか?それとも何も感じなくなるのだろうか?
いざ自分の身に火の粉が降りかかってきたとき、
モラルや常識、世論、そういったものはきっと全部ぶっとんでしまうだろう。
光市の母子殺人事件を思い出しながら読んだ。
きっと弁護団も裁判官もいろんな人たちが火の粉をかぶった当事者なら、同じことは言えないだろう。

司法は平等であるべきだ。
ただ、私が言いたいのは
みんな、火の粉を自分の身に降りかかることを怯えている。ということ。
どんなに勉強しても、冷静な自分を築き上げてきたつもりでいても
実際に言葉では言い表せないようなことが起きたとき
理性なんてものは役に立たない。

誰のせいか。ただの偶然か?
奇妙なことが度重なり、それぞれの気持ちも大きく揺れ、
事実をわかりにくくさせる。
500ページという長編なのに、最後までまったく飽きさせない展開。

久しぶりにミステリーっぽいのを読んで、おもしろー!!!とガッツポーズ。
読み終えるのが惜しくて、でも早く続きが読みたくて今日はダッシュで仕事終わらせて読書タイムでした。
あー幸せだ♪こんなに胸がドキドキハラハラ揺さぶられたのって久しぶりかも。
いつも軽いタッチのを好んで読むんですが、これは私の知り合いの人に面白いから、と2年前?くらいに薦められて放置してた本。
でも、読めてよかったぁ!!!
とにかく読んでない人は読んでみてください!!!
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