スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

落ちこぼれ


茨木 のり子,水内 喜久雄,はた こうしろう
Amazonランキング:100138位
Amazonおすすめ度:


茨木さんは「私が一番きれいだったとき」が中学の教科書に載ってました。
初めて読んだときルオーじいさんのように美しい絵を描いた理由が、ハッキリと言えなかったけど、
何となく感じることができました。
うまく説明できなくたって、心で感じれる。

茨木さんは、弱い自分。弱い他人。強い自分。そういうのに向き合って、
時には凛々しく、時にはいつくしむような優しさで人を、自分を見ている。
私は「知らないことが」という詩が好き。
悲しくて、温かくて、優しい人になりたいと思った。
見せかけだけじゃなくて、こんな風に思える心を持った人になりたい。

わたし、解釈を加えないと分からないような詩は書いていないつもりです



こんな風に自信をもって言える何かを、得ていきたいな。

知らないことが


大学の階段教室で
ひとりの学生が口をひらく
ぱくりぱくりと鰐のようにひらく
意志とはなんのかかわりもなく

戦場である恐怖に出会ってから
この発作ははじまったのだ
電車のなかでも
銀杏の下でも
ところかまわず目をさます
錐体外路系統の疾患

学生は恥じてうつむき口を掩う
しかし 年若い友らにまじり
学ぶ姿勢をいささか崩そうとはしない

ひとりの青年を切りさいてすぎたもの
それはどんな恐怖であったのか
ひとりの青年を起きあがらせたもの
それはどんな敬虔な願いであったのか

彼がうっすらと口をあけ
ささやかな眠りにはいったとき
できることなら ああそっと
彼の夢の中にしのびこんで
少し生意気な姉のように
〝あなたを知らないでいてごめんなさい″と
静かに髪をなでていたい

精密な受信機はふえてゆくばかりなのに
世界のできごとは一日でわかるのに
〝知らないことが多すぎる"と
あなたにだけは告げてみたい。

この記事へのコメント
コメントを書く
管理人にのみ表示
この記事へのトラックバック
http://neteoki.blog7.fc2.com/tb.php/529-410cb132
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。