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小さいおうち

中島 京子
文藝春秋
発売日:2010-05


★★★☆☆

赤い三角屋根の家で美しい奥様と過ごした女中奉公の日々を振り返るタキ。そして60年以上の時を超えて、語られなかった想いは現代によみがえる。


直木賞受賞作品。
こういう古風で、知恵があふれていて、品がある作品はいいですね。

小さいおうち、とは思えないけどそこで繰り広げられる世界は、
今のように世界を相手にするわけでもなく、多くの人と関わるわけでもなく。
ただ、こじんまりとした人間関係で時とともに緩やかに変化していく。
そういう生き方も、素敵だなって思いました。
タキは、女中の仕事に誇りを持っていて、奥さまや一家の幸せを何より願っている。
プライベートとか個とかそういうのはない。
そこまで信じれるものがあったら、潔く生きれる。

祖父の話を聞くと、若い時は働き通しで、遊ぶ暇はほとんどなかったらしい。
生きがいとか自分らしさより、生活のことで精いっぱい。

今は、選択肢がたくさんあって、便利で、世界が広すぎて、
わたしはどうしていいのかわからなくなる。

そういうわたしに祖父は、
「じいちゃんなら、今の若い人の時代は生き難いやろなぁ」
といった。
わたしは、逆に祖父の時代は生きれないだろうし、今の平成世代の子の時代も生きにくそうだな、と思う。

個よりも「家」がすべてだった昔。
自由すぎて迷いやすい今。
自分を見失わなければ、昔よりもうんと生きやすくなった、今。
それが今の時代なのかもしれない。
この記事へのコメント
こんにちは。
直木賞受賞作品と言う事で、初めて中島さんの作品を読みました。
ずっと気になっていたのですが、読まずにいた作家さんでした。
素晴らしかったです。
実際にその時代にタイムスリップしたかのような時代背景の上手さにびっくりでした。
戦争は、大きな出来事だったけど、日本は絶対に負けないと信じていた頃の国民の生活はこんな感じでのほほんと過ごしていたのかもしれないなと思いました。
あの時代を生きた人たちは、今の世の中を見て、どう思うのでしょうね。
私は今の時代を生きられて良かったのかどうなのか。たまに不安を持ったり疑問を持ったりしています。
苗坊 | URL | 2010/09/27/Mon 13:54 [EDIT]
あ、そういえばそんなことも思ってました。
たしかに、戦争が物語の中心になっていない小説は珍しいですよね。
いやはや苗坊さんの文章、さすがです。
わたしもときどき、思います。
最近の国政関係のニュース見てると特に思いますね。
sonatine | URL | 2010/09/27/Mon 21:29 [EDIT]
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