スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

異国のおじさんを伴う


どれをとっても素晴らしい短編集でした。
タイトルの付け方も一見「???」なのに読み終えてみると、ウマイ!!!

「藤巻さんの道」
完璧な彼女。しかし意外な欠点があって・・・。
この話から、虜になりました。
最後まで「どうなるの?」とハラハラしました。

「夜の空隙を埋める」
2件だけ謎の停電がある。
ミセス・グハーと物申しに行こうとした私。そこで見たものとは・・・。
人生の寄り道って必要だなぁと思わされるお話。このお話がいちばん好きです。
主人公は彫刻の学校に通っていて、それで生計を立てていこうとは思っていなくて、
帰国したら変わらぬ毎日が待っているだろう。

「そんな日々の中で私、きっと何度も思いだすと思うんです。
たとえば今日、あなたと歩いた夜道のことなんかを、まるで人生の大事な一ピースみたいに」


って言葉が大好きです。
こんな思い出をいくつ、命が尽きるまで集められるかな、って思いました。

「クリスマスイヴを控えた三日後に控えた日曜の・・・」
どうでもいい相手と思いつつ、ほのかな発展への期待も抱えた女性がみたのは、
年老いた女性と男性の買い物現場で・・・。
こういうことがもっとあったらいいなぁ。
最初は苦い顔していましたが、最後に言葉一つで雰囲気をがらりと変わって、温かい気持ちになりました。

「くじら見」
タイトルが素晴らしい!
ハネムーンで、気の乗らない「くじら見」に連れ出された夫。
船酔いに苦しむ夫とは裏腹に、逞しくその場を楽しむ嫁。
ふたりのすれ違いと「こいつあなどれんな」という感じが気持ち良かったです。

「竜宮」
主人公はフリーライター。
周りに効率悪いといわれても、テープ起こしの作業は欠かさない。
それにはおばあさんと子供、そして亀の物語があって・・・。
切ない話でした。
仕事をする上で失敗は避けれないし、こういう失敗をした人の方が将来的には伸びる気がします。
失敗とかごまかしたりとか気付かない人も多々いますから。
人の気持ちを自分に都合のよいように捻じ曲げる。
悪意はないにしろ、結構わたしもやっているなぁと反省しました。

「思い出ピロリ」
ひょんなことから見知らぬ葬儀屋の男性とドライブすることになった主人公のお話。
ホラー要素もあるのに女性がクールなのですがすがしく読めました。

「ラストシーン」
飛行機の乗客のDVDの残り10分をめぐるお話。
妙な連帯感と、条理とそして最後の・・・。
乗客を名前なしで、座席番号と特徴で表してあって、不思議な雰囲気でした。

「桂川里香子、危機一髪」
自由人な主人公が、恋した相手はエジプト人。
家族の猛反対の中、顔合わせに向かう途中、ふたりに思わぬすれ違いが・・・。
こんなに自由に生きてみたいし、いってることに一本筋が通っていて気持ちいい!!!
里香子さんの魅力に尽きる、お話です。

「母の北上」
父を亡くした母は、こじんまりとした部屋へと北上する。
北上する母を心配した息子は、忠告を繰り返すのだが・・・。
日常の些細なことを面白く描いてあります。お母さんのいじけた感じがとてもキュートです。

「異国のおじさんを伴う」
ひげ人形の会に招待された主人公。そこで贈呈されたのは・・・。
意味不明なタイトルですが、本当にその通りのことになりました。
人生が生まれ変わるくらい変わるのは、居心地のいい安定した場所を手放すことから生まれるんでしょうね。



* * * * *

どれも読みやすいのに、人生について考えちゃう素敵な本でした。
生きていて、となりに誰かがいて、わかってるようでわからない人や自分がいて、
予期せぬアクシデントがあって・・・
見えない未来をあくせくしながらハンドルを操縦するのって悪くないよっていう本でした。
わたしも近々、仕事を辞めて海外に旅行に行くので、余計に共感したのかもしれません。
すごく、心を柔らかくしてもらった気がします。おすすめです!
この記事へのコメント
コメントを書く
管理人にのみ表示
この記事へのトラックバック
http://neteoki.blog7.fc2.com/tb.php/777-582881d8
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。