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私のなかの彼女

私のなかの彼女私のなかの彼女
(2013/11/29)
角田 光代

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いつも前を行く彼と、やっと対等になれるはずだったのに――。待望の最新長篇小説。「もしかして、別れようって言ってる?」ごくふつうに恋愛をしていたはずなのに、和歌と仙太郎の関係はどこかでねじ曲がった。全力を注げる仕事を見つけ、ようやく彼に近づけたと思ったのに。母の呪詛。恋人の抑圧。仕事の壁。祖母が求めた書くということ。すべてに抗いもがきながら、自分の道を踏み出す彼女と私の物語。


王様のブランチで紹介されていた本。すーっごくよかったです!!!

早先の恋人の背中を見ながらついていった女が、気がついたら成功していて
反比例するように彼の背中を追い越し、すれ違うようになっていた・・・。

という話。

お互い長い付き合いでだいじなのに、彼女は生活よりも情熱を選び、彼は情熱よりも愛情を求めた。
ふたりの関係がゆがみ始めているのを感じながらも、原因がわからない。変だな、と思いながらも環境の変化に全く気付けない。
なんでそう鈍感なんだよって互いに対してイライラした。
それは、完全に読者は傍観者で、彼のことも彼女のこともどちらも同調できないし、どちらもわかる面があった。
そして、バランスの悪いふたりの恋人たちを救うように、周りの人たちの言葉に救われる。
とくに、

「人は他人の才能をつぶすことなんてできないと思っているんですよ。才能をつぶせるのは、その才能を持っているその本人だけだと」



の一言にしびれました。

主人公の彼女は、ひとりの男性と出会ったことで変わった。
ぽつんと取り残された主人公は、誰かによってまた、自分の人生が変わることを恐ろしいと思いながらも、
フィールドワークという見知らぬ人、文化の中に飛び込むことを選ぶ。
人が好きだから人の中に行くんじゃない。
人は怖くても、苦手でも、あえて飛び込む選択をする時がある。
そのギャップがいいと思った。

読み終えて、また最初に戻る。
彼女がまだ若くて、背伸びした彼に憧れていた恋愛真っ盛りのころ。
幸せな空間が広がって、そして最後の彼女との変化に驚く。
どちらが幸せだったかと考えると、私はぜったいに最初の彼女だと思う。
彼女が小説を知らずに、あのまま生きていたら今の彼女はない。
それが痛い。悲しい。少し羨ましいけど、すごく孤独だと思う。

どうか孤独だけで終わらないで。

自分の思う世界からはみ出したところに、幸せがあってほしい。
「家事なんて僕がやってあげるからハハハ~」と笑う陽気な彼がいつか彼女に表れてくれることを願う。
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