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きょうの私は、どうかしている


順調にキャリアを積んでいるが、白髪抜きをやめられない女が風呂場で膝を立てた瞬間、白いものを見つけてしまう「取り扱い注意」。嘘が得意で、独り身なのに姑の目を盗んで男のアパートにやってくるふりをする女が行為のあとに思わず男に本心を漏らしてしまう「真実」。体の賞味期限を気にする女が酔った勢いで初めてキスした相手に、翌日起こった地震を口実に電話する「揺れ」。四十歳という齢を意識しながら、恋、仕事、家族と向き合う独身女性たちのどこかひたむきで、だからこそ愛すべき日々をリアルかつ澄んだ筆致で捉えた十一篇のストーリー。


白石一文に「あなたは小説を書かなければいけない人」と言わせた作家さんです。
アンチエイジングで女性もパワフルに!キレイに!という流れの中で、
それに逆行するかのごとく、全体的に暗く重い雰囲気のものばかり。
それが「人生って楽しーっ」って謳歌している人たちよりも「これでいいのかな?美貌もお金も人並みに手に入れたのに満たされない・・・」という本書の女性たちのほうがリアルに感じられた。
胸の奥がざわざわする読後感。たしかにこの人ならではって感じです。

取扱い注意
キャリアウーマンの主人公。最近肌のたるみや白髪が気になる・・・。
おバカな年下女子や友達にヤキモキ・・・。
決して悪くないルックスなのに、男っ気なし。
元カレは最低だけど、恋しくて・・・。

印象的なのは、復縁話をけしかけて断られた場面。
涙を流す傍らで、マスカラの崩れを気にしてコップで見てしまう。

「ほら、また自分の顔ばかり見ている。そんなに自分が大事なのかよ」


これに対し、主人公は全く悪びれた感じはありません。
ドキッとしたシーンでした。私もわりとそういうところがあります。
周りの目を気にせず、ワンワン泣いたり、思いのままぶちまけることができません。
ゆがめられた自己愛がテーマな気がします。
痛いです。でも他人とは思えない・・・

楽屋裏
帰郷するたび、母親に結婚をせかされる娘の話。
嫌だな~と感じる心と、両親も弱ってきていることを実感し胸が痛くなる話。
最後は意外なところで、希望が持てて、綺麗すぎない展開がよかったです。

真実
ウソつきで、ずるがしこい姉が主人公。
よすぎる妹のコネで入った会社を身内の不幸に仕立て上げ、結婚歴もないのに不倫といいくるめ、
恋を楽しむ主人公。
周りを傷つけてでも、自分が良ければいいという主人公。
読んでいて、イライラします!!!
だから彼女の真実のセリフは、ちょっとザマアミロと小気味よいのです。

カモと鍋
もしかして↑の子の友達で、恋人を奪い取られた女性の話。
口車がうまくて、洋服とか彼氏とかあることないこと言われて、とられまくった。
でも、果たして口だけで得たものがずっと続くもの・・・?
こちらもしたたかに復讐しかかります。
最後がんばれーって思ったけど、余韻を残したまま終わっているのがざわざわ。
お楽しみはこれからってか?

警告音
周りから祝福されそうな男との結婚が決まった女性。
「よかったね」「おめでとう」
でも実際は・・・
彼女の頭の中には警告音がなる。「これでいいの?」

よくない!
前へ進むってどういうこと?

・・・・


他のも短編がたくさん。どれもざわっと余韻が残ります。
とくに最後の「見る」が印象的。
マンネリカップルなのに、姪をつれてきたら・・・。

マボロシの鳥

太田 光
新潮社
発売日:2010-10-29


かつて読んだことのない感動の形がここにある。爆笑問題・太田光、待望の処女小説!

「どこかの誰かが、この鳥を必要としている」――誰よりも小説を愛し、誰よりも小説に愛される芸人、太田光がついに作家デビュー!
 
舞台芸人の一瞬の輝きを一羽の鳥に託した表題作ほか、
父との不和に悩む娘やイジメにあう男子高校生の葛藤から、
人類の行く末、そして神の意志までを、
持てる芸のすべてを注いで描き尽くした《希望の書》。


この本、賛否両論みたいですね。
もともと太田さん単独のエッセイのファンで全部もってます。
それを読んだ上で読むと、太田光の思想が全部反映していて、小説なんだけども太田ワールドなんです。

エッセイが切り口が鋭いので、それにしてはあっさりしているなーという感じ。
さらっと読めちゃいます。
時事ネタや星の王子さまなどをモチーフにした話があったりと、おもしろかったです。

「笑い声っていうのは、たった今、この瞬間、その人が幸福だってことの証拠なんじゃないかなあ?」


ってことばがすごく好きです。
笑うってことは、幸せなことなんですね。
笑うから幸せなのか、幸せだから笑うのかって話が出ますけど、
どちらにせよ、【笑うことは幸せ】っていう法則が私たちの体の中には組み込まれているんだなって思いました。
幸せになりた~いってよく言うけど、笑うだけで幸せ。
幸せってそばにあるんだなぁ。
笑ったら「あ、今わたし幸せ」って思うことにしよう。

太田さんは、進化を否定しない。
そしてそれが過ちだったとしても、進化なくして発展はないってひと。
そして、過去は今、そして未来へとつながっていく。
人から人へと受け継がれていく。
文章とか話とかおいといて、太田さんの主張はビンビン伝わってきました。

とくに好きなのが、イジメられている卑屈な少年に悪魔が宿る「カラス」
魔女狩りの対象になってしまった母子を描いた「魔女」
9.11をモチーフにしたと思われる「奇跡の雪」

ダークな話の中でも特にダークなものの方が好きでした。

人質の朗読会

小川 洋子
中央公論新社
発売日:2011-02


遠く隔絶された場所から、彼らの声は届いた。紙をめくる音、咳払い、慎み深い拍手で朗読会が始まる。祈りにも似たその行為に耳を澄ませるのは人質たちと見張り役の犯人、そして…しみじみと深く胸を打つ、小川洋子ならではの小説世界。


8人の人質は全員殺されちゃうんです。そこは冒頭からはっきりと書かれています。
でも、全く悲壮感がない。
それは、いかに拉致されたか、その間人々がどう過ごしたのかが書かれていないから。
人質たちの朗読は、これまでの人生、思い出深いエピソードが丁寧に語られ、それはその人の心の様をよくあらわしているように思う。
好奇心旺盛な人もいれば、地味だけど思い切った行動を起こす人もいるし、不思議な体験をした人もいる。
みなに共通している点は、品性があること。
落ち着いていて、バカ騒ぎをしない、肝が据わった人たちな感じ。
だからこの場に選ばれてしまったような印象を受けた。
小川さん、長編のほうが好きだけど、こういう短編もとってもおもしろかったです

月のさなぎ

石野 晶
新潮社
発売日:2010-11


森の中の学園に隔離されて育った、性別のない子どもたち。成人するにつれ性別が確定し、ひとり、またひとりと巣立っていく。年に一度の降誕祭を前に「学園の貴公子」と称される薄荷は、外界から侵入してきた少年と恋に落ちた。森への逃避行、フラッシュバックする記憶。17歳の身体と心は、意思とうらはらに変わりはじめる…。第22回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。


ファンタジーなので、苦手な人もいるかもしれない。
けど、わたしは面白かった!一気読み★
等身大からぶっとんだ世界にトリップして、ひさびさに読書にのめりこんだ。
性別もそうだけど、この閉鎖的で病的な潔癖感が好き。
美形で、清楚で、隔離された、滅菌された空間。
私の生活とは程遠いわぁ~(笑)

四十九日のレシピ

伊吹有喜
ポプラ社
発売日:2010-02-16


熱田家の母・乙美が亡くなった。気力を失った父・良平のもとを訪れたのは、真っ黒に日焼けした金髪の女の子・井本。乙美の教え子だったという彼女は、生前の母に頼まれて、四十九日までのあいだ家事などを請け負うと言う。彼女は、乙美が作っていた、ある「レシピ」の存在を、良平に伝えにきたのだった。家族を包むあたたかな奇跡に、涙があふれる感動の物語。


★★★★☆

風待ちのひとがとってもよかったので読んでみた。
もう最初っから涙がでてきて、やばかったです。
すごく良かった~~。
最後のほうはちょっとどんでん返しがあって、んなあほなーって突っ込む気持ちと、
なんか嬉しいやらでもうやっぱり大好きなお話です。

夢はかなわぬこともある。
努力は報われぬこともある。
正義は勝つとは限らない。
だけどやってみなけりゃわからない。
さあ、頑張ろう


のところが特に好きでした。
そうだよなぁ。
わかんないけどやんなきゃ可能性はゼロだし、やっぱりやってみなけりゃ叶わないってことかな?
塾の標語には確かに向かないわ(笑)


小さなすれ違いで気持ちが離れてしまったとしても、本当につながりたいならばそれを相手に伝えないといけない
し、伝えようとすれば伝わる。
気持ちの強さを感じたあったかい本でした。


よくよく考えてみれば、風待ちのひとと似たキーワードですね。

母親の死、不倫、掃除、不器用、困った妻・・・

読み終えて何日か経ってから気付いたのですが、2冊とも別物に感じるのがすごい。

家族トランプ

明野 照葉
実業之日本社
発売日:2010-04-15


風見窓子33歳。
一般職の正社員として勤務する会社に不満はないし、寿退社する後輩女性を妬んでもいない。
友人以上恋人未満の交際相手はいるけれど、べつに結婚したいと思っていない。
しかし同居する両親からは「干支三回りが限度」と宣告されてしまう……。
そんな彼女に「しないの、結婚?」と声をかけてきたやり手の女性上司、47歳で独身の有磯潮美。
東京下町・三ノ輪にある潮美の実家に通い出したのをきっかけに、窓子の日常は突如として変容し、
家族作りのカードのシャッフルがはじまった!


★★★☆☆

アラサーなので、こういう自分に似た境遇の本を読んで励まされたくなります。
この窓子(名前がすごい)の親が自分勝手でイライラ。
実の親子でもわかりあえないことがあるし、おとなになれば新しく創ることだってできる。
最初家族トランプというタイトルが???だったけど、ハハーン、うまくまとめましたな。
トントン拍子に転がっていくのはいかがなものかと思いましたが、結構好きな感じです。
独身で焦っている人への本というよりは、家族関係についての本かな。

永遠虹路

綾崎 隼
アスキーメディアワークス
発売日:2010-07-24


ねえ、七虹。私は親友だけど、やっぱりあんたが何を考えていたのか最後まで分からなかったよ。悪魔みたいに綺麗で、誰もがうらやむほどの才能に恵まれていて、それなのに、いつだって寂しそうに笑っていたよね。でも、私はそんな不器用なあんたが大好きだった。だから、教えて欲しい。あんたはずっと、誰を愛していたのかな?―永遠を願い続けた舞原七虹の人生を辿る、あまりにも儚く、忘れがたいほどに愛しい、「虹」の青春恋愛ミステリー。


★★☆☆☆

おもしろいんだけど、七虹が好きになれなかったから★2つ。
美人で影があって、片思いで、ひたむきで。
それだけで美人は物語になる。
・・・というのを認めたくなーい。女の嫉妬です。
脇役の人たちのほうがうんと私は好きでした。
バントマンの話が良かったなぁ。
いろんな人を裏切ったり、人の好意をすり抜けても貫いた想いはキレイだけど、
人生そんな限定的なものならば、生きるのはしんどい。

阪神電車

有川 浩
幻冬舎
発売日:2008-01


電車は、人数分の人生を乗せて、どこまでもは続かない線路を走っていく―片道わずか15分。そのとき、物語が動き出す。


★★★☆☆

普通に面白い。甘さひかえめ。ちょっと物足りぬ。

シアター!

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小劇団「シアターフラッグ」―ファンも多いが、解散の危機が迫っていた…そう、お金がないのだ!!その負債額なんと300万円!悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。司は巧にお金を貸す代わりに「2年間で劇団の収益からこの300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」と厳しい条件を出した。新星プロ声優・羽田千歳が加わり一癖も二癖もある劇団員は十名に。そして鉄血宰相・春川司も迎え入れ、新たな「シアターフラッグ」は旗揚げされるのだが…。


★★★★☆

面白かった!さすがは有川さん。
今回はラブ度は低めだけど、ところどころにちらほら。
兄弟は、すごく仲良くて、しかもモテエッセンスを撒き散らしてる素敵男子でした
あたしは断然、お兄ちゃん派です!!!
でも牧子さんもカッコイイし、巧くんの甘え上手さにちょっとニヤけて困った。
これ、続編出そうな気がする・・・。
もっと、でっかいピンチがちらほらあるかな~と思ったけど、意外とすんなりいったのが、物足りないというよりほっとした。
お金が中心になってたのがちょっと残念。チョコレートコスモスみたいに演技のことにも触れてほしかったなぁ。
ともあれ、とっても楽しい読書になりました。

中にメディアワークス文庫のキャッチコピーが入っていました。

ずっと面白い小説を読み続けたい大人たちへ

「不幸せではないけれど、幸せと言うほどでもない」
「からだは動いているけれど、心が動いていなかった」
そんなひとりひとりのあなたが、
ドキドキして、ワクワクして、
無我夢中な自分と、もう一度出会うために。
今までにないエンタメノベル、できました。


すげぇ。最高のライターがいたもんだ。
心を鷲掴みにされたわ。
メディアワークスの文庫、話も面白そうだし、買ってみようかな。

風待ちのひと

伊吹 有喜
ポプラ社
発売日:2009-06-19


“心の風邪”で休職中の39歳のエリートサラリーマン・哲司は、亡くなった母が最後に住んでいた美しい港町、美鷲を訪れる。哲司はそこで偶然知り合った喜美子に、母親の遺品の整理を手伝ってもらうことに。疲れ果てていた哲司は、彼女の優しさや町の人たちの温かさに触れるにつれ、徐々に心を癒していく。
喜美子は哲司と同い年で、かつて息子と夫を相次いで亡くしていた。癒えぬ悲しみを抱えたまま明るく振舞う喜美子だったが、哲司と接することで、次第に自分の思いや諦めていたことに気づいていく。少しずつ距離を縮め、次第にふたりはひかれ合うが、哲司には東京に残してきた妻子がいた――。



★★★★☆

お友達に「おもしろいよ」と紹介されて読んだ本。
前半、なかなか盛り上がらなくて辛かったけど、だんだん面白くなってきて、
やめられなくなった!
後半はとくに、どうなるかドキドキ・・・。
いやぁ、面白かった!!!伊吹さんすごいっす!別のも読んでみたい!!!

この本を読んで、わたしは喜美ちゃんみたいなおばさんになりたいと思った。
若いね~きれいだね~と称賛される人よりも、頼りがいがあって、みんなに慕われて、
でも自分のとっておきの女の部分をひとりだけわかってくれる人がいる。
若い子と張り合って、美に執着してる人よりもずっと美しい感じがする。
もちろん、キレイに越したことはないんだけど。

恋っていいなぁとしみじみ思った。
そして、年齢とともに、恋に求めるものも変わっていくのだと。
哲司の奥さんは、ヒステリーに描かれているけど、私は彼女に共感してしまった。
彼女の立場だったら、旦那が病んでしまったのなら自分が頑張るしかないし、
関係が冷え切ってしまったのなら、他の手をつかんでしまうことだってあるかもしれない。
何が、誰がわるかったのか。どうしてこうなっちゃったのか。
それは時間とともに、求めるものが変わっていったからで誰が悪いとかほとんどないんだろうなぁ。
喜美ちゃんも今だから哲司と求めるものが同じだけど、若い時だったらくっつかなかったと思うし。

私も風待ちの人です。早く追い風来ないかなぁ。。。
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